TOEICのリスニングの勉強をしていて思うこと

年初に立てた目標を達成するためにTOEICの勉強を始めたのだけれど、リスニングの勉強をしていて気付いたことがある。英語の音を認識できない時、主に二つのパターンがあるということだ。

 

一つ目は単語の音を知らない/前後の繋がりで音が変化するパターン。学生の頃もそうだったが、例えば自分はI'llがallに、towardsがto wordsに、alongがa longに聞こえる。しかし初めからそう聞こえると分かっていれば文脈から認識を修正できる。経験の積み重ねもあるのでこちらはそれほど問題でない。

 

二つ目が問題で、音は正しく聴けているのに脳の処理が追いつかないパターンだ。日本語でもそうだが、相手が早口でまくし立てると話の流れが追えないことがある。これが英語だとより頻繁に起こる。実際の会話であれば相手に訊き直せば良いのだが、TOEICのような試験だとそうはいかない。一つの文の意味を追いかけている間に次の文が過ぎ去り、三つ目の文が始まる頃には後の祭りというわけだ。

 

学生の頃はTOEICは英語の試験だと思っていたが、老いた今では脳の処理速度や集中力の試験であるように思う。TOEFLやIELTSと違って留学の役に立たないし、ビジネスの現場で英語が必要な場合は通訳を伴うことが普通なのに、何故これほどTOEICが流行したのだろうかと以前から訝しんでいたが、案外普遍的な能力を試されているのかも知れない。

 

TOEICの勉強をしているときに限らず、脳の瞬発力がどんどん低下しているなと思う。平均寿命を考えればまだまだ生きなければならないわけだが、何かをするために残された時間はとても少ない。しかしそのことを悔やむわけでもない。何かやりたいことがあったわけではない自分には、残り時間を惜しむこともできないからだ。それなのに脳の瞬発力の低下を気掛かりに思うのは、まるでまだ自分を信じているようで滑稽だと思わざるを得ない。

きりんざん ブルーボトル/麒麟山酒造(新潟県)

「ブルーボトル」の名が示す通り、氷柱やラムネを思わせる水色の六角瓶が涼しげだ。香りはリンゴ酢のようにフルーティで、口に含むとほの甘い味わい。高精米酒らしく後味も清涼感がある。美味い。

 

暑い盛りにグビグビ飲みたいお酒。

ラジオNIKKEI「ザ・マネー マーケットプレミア」を聞いた

特別ゲストに個人投資家の五月さん(片山晃さん)が出るということで標題のインターネットラジオを聞いた。自分は相場から退場してもう何年にもなるが(いつ思い出しても当時の自分の愚かさを恥じてしまう)、株式市場や個人投資家に対する世間的な注目の高まりもあり、最近は当時を懐かしむ機会が増えたように思う。今日ラジオを聞こうと思ったのも、老人が灰色の思い出を鮮やかな絵の具で塗り潰そうとするような動機からである。しかし、結果的には非常に刺激を受けることになった。特に印象に残ったのは次の二つの話である。

 

一つ目は、どんな株が大きく上昇するかという質問が出た時の話だ。五月さんは苦笑いしながらも「過去に大きく成長した株のチャートを見れば良い」というアドバイスをしていたのだが、その後ぼそりと「これ大ヒントだと思うんですけどね…」と言っていたのが心に刺さった。この大ヒント、もちろん初心者や株式投資の本を全く読まずに実地で訓練している人には文字通りの大ヒントかも知れない。しかしほとんどの投資家にとって、このアプローチは王道であり、少なくとも文字通りの大ヒントではない。

 

では何が大ヒントなのか。

 

ここには確かに大きなヒントあるいは示唆が含まれている。つまり、株式市場に挑戦する多くの投資家は(おそらくラジオを聴いた直後ですら)このアプローチを実践しないということだ。何故か。面倒で時間がかかるからである。人と違うことをするのが投資で儲ける秘訣だとはよく言われているが、ある意味で「やって当たり前」の努力・研究を続けることが、他の投資家との差別化に繋がるとまで言えるかも知れない。

 

ここでは大上段から書いたが、自分も株式市場に挑戦していた時、一般的なテクニカルの勉強ぐらいはしたものの、個別株のチャート研究などほとんどしたことがなかったことを告白しなければならない。根が面倒くさがりな上、当時は勉学が本業という最高の言い訳まであった。自分からの逃げ足だけは一流であるに止まらず、そのことに屈折した誇りさえ持っていた自分に真剣な姿勢が欠如していたことは明々白々である(さらに愚かしいことに当時の自分はそのことにすら気付いていなかったのではないか、と思える)。ちなみに五月さんの著書「勝つ投資 負けない投資」にも同様のことが書かれている。僕はこの本を読んだ時、導入には良いと思った一方で、多少なりとも勉強することを目的として購入する読者を想定しているであろう本の主題が「(自分で考えて)勉強しろ」であるということにやや肩透かしを食った思いがしたものだ。自分は勉強することを目的として購入したわけではなかったのでまあいいかと思ったのだけれど、今日ラジオを聞いて「自分で考えて勉強すること」が複数の意味合いでどれだけ難しいか、そしてまたどれだけ価値があるかを改めて理解できたように思う。

 

一つ目が長くなってしまったが、聞いていてハッとした二つ目の話。個人的にはこちらの方が印象深い。前後の文脈は忘れてしまったが、確か中長期投資で、5年かけて100万円を5倍の500万円にするという仮定の話を五月さんが始めた。税金を引くと手元に残るのは420万円という説明で場が和やかになったことも一つ目の話を補強する上で示唆的だが、そんなことよりその後に五月さんが言った言葉が衝撃的だった。

 

「それじゃあ人生変わんないんですよ」

 

人生を変えることを夢見て相場に挑戦する人間は少なくないと思う。笑えないことに当時の自分もそうだった。しかしこの言葉が真面目な音を伴い、生きている人間の口から実際に出てくるのを自分は初めて聞いた。真剣に人生を変えようとする意志、あるいは人生を変えるほどの意志の真剣さこそ、相場に、あるいは何であれ自分の夢に挑戦する人間の持つべき最良かつ唯一真当な姿勢ではないだろうか。そしてまたその姿勢こそが、後に続こうとする人間に夢の手触りを感じさせるのだ。

加賀鳶 藍 純米大吟醸/福光屋(石川県)

やや辛口。しぼりたてらしいフレッシュさもあるが、それ以上にアルコール感が強い。味わいも重め。美味しいとは思うが、良くも悪くも「山田錦精米歩合50%・しぼりたて・中汲み・生原酒」のイメージとは異なる味に仕上がっている。

七賢 絹の味 純米大吟醸/山梨銘醸(山梨県)

ラベルには「食中酒としておすすめ」とあるが、やや甘めなので単体で楽しむのも悪くないと思う。毎日飲んでも飲み飽きない味。

刈穂 大吟醸/秋田清酒(秋田県)

一口目は甘いが、後味はかなり辛いというこれまで飲んだことのないタイプ。一口目の甘い大吟醸の後味はスッと消えるのが普通だと思っていたので、明確な辛さを感じたのは個人的に驚きだった。開栓から日が経つと後味の辛さが丸くなり、より飲みやすくなる。

不老泉 山廃純米吟醸 雄町 火入/上原酒造(滋賀県)

個人的に思い出のある日本酒。口開けから独特の臭みで、「ああこれこれ」と記憶が蘇る。続いて口の中に拡がる辛さ、苦さ、甘さ、そして旨さ。強烈な味わい、これぞまさに不老泉だ。好き嫌いは分かれるだろうが、たまには変わった味のものを、という人にオススメ。

 

最近忙しくて飲み切るのに一週間もかかったのだけれど、味の劣化は殆どなかったように思う。むしろ開けて数日経った後の方が落ち着いた味わいになっていた。もっとも、不老泉らしさを味わおうとするなら、やはり早めに飲むべきだったか。